日精看奈良県支部主催のオープンダイアローグ研修に参加してきました!

【セミナー概要】

日時 2026年6月6日
場所・主催 日本精神科看護協会奈良県支部
講師 森川すいめい 氏

2026年6月6日に日本精神科看護協会奈良県支部にて開催された「オープンダイアログ」のセミナーに参加してきました。

講師の森川すいめいさんをお迎えし、アットホームな雰囲気の中で行われたセミナー。そこで得られた、私たちの日常のコミュニケーションを豊かにするたくさんの気づきをシェアしたいと思います!

セミナーの様子1

そもそも「オープンダイアログ」とは?

オープンダイアログの「開く」とは、単に意見をぶつけ合うことではなく、「やり取り(対話)をする」ということ。
セミナーの冒頭で特に印象的だったのが、次の言葉です。

「対話とは、相手を変えるためじゃなく、自分側が変わるためにするもの」

私たちはつい、「相手を説得しよう」「自分の正しさを認めさせよう」として会話をしてしまいがちです。しかし、オープンダイアログにおける対話は、相手をコントロールするためのものではありません。対話を通じて、自分自身が変化していくプロセスそのものを大切にしています。

💡 ミーティングの鉄則

「その人のいないところで、その人のことについて話さない」

常に本人の前で、オープンにフラットに話し合うことの重要性が根底にあります。

対話を深めるための「3つのキーワード」

セミナーでは、思想家ミハイル・バフチンの理論を交えながら、対話を学ぶ上で大切なポイントが紐解かれました。その中でも特に心に響いた3つの視点をご紹介します。

1. 他者性:相手のことは「決してわからない」

「あの人のことはよく分かっている」と思った瞬間、その人への理解や関係性の変化は止まってしまいます。たとえば、子どもや部下は常に変化していく存在であり、基本的には「分からないもの」です。

  • 他人は常に自分を超えてくる存在である
  • 自分のことは、他者を通じて(違う人に出会うことで)初めて見えてくる

「分からない存在」としての他者を尊重し、出会うこと。それが自分自身を探究するきっかけになります。

2. 発話と応答:すべての発話は「応答」である

人が話したいことは、一つの「ひしかたまり」のストーリーです。そのため、途中で話を遮ってはダメなのだそう。「そうか」と受け止めるプロセスが不可欠です。

「すべての発話は何かの応答である」という意識を持つだけで、相手の話の聞き方がガラリと変わります。

3. ポリフォニー:影響し合うけれど、溶け合わない

ポリフォニーとは音楽用語で「多声(多くの独立した旋律が同時に響き合う音楽)」を意味します。

対話の場も同じで、まるで楽譜のない音楽のようにお互いが影響し合います。しかし、「影響は受けるけれど、お互いの個性が混ざって溶け合ってしまうわけではない」という絶妙なバランスが、心地よい対話の場を作ります。

セミナーの様子2

最後に:実践から日常へ

今回のセミナーを通じて学んだのは、「実践が先、理論が後」ということ。頭でガチガチに考えるよりも、まずは目の前の人と目線を合わせすぎずに(目が合うと支配関係が生まれ、心の声が止まってしまうことがあるため)、身体全体で対等に、安心してリラックスして話せる場を作ることが何より大切です。

「一対一で『問題』を目の前に置いて話し合うのはやめよう」

というアドバイスもありました。

仕事でもプライベートでも、課題を解決しようと焦る前に、まずは「お互いが安心して声を出せるポリフォニーな関係性」を作っていきたいですね。

みなさんも日常のコミュニケーションの中で、「相手の言葉を途中で遮らない」「沈黙を恐れず楽しむ」ということから始めてみませんか?

セミナーの様子3