【研修報告】「もしも『死にたい』といわれたら」〜松本俊彦先生をお招きして〜

2026年8月1日、日本精神科看護協会奈良県支部にて「もしも『死にたい』といわれたら」をテーマとした研修会が開催され、当事業所の小瀬古も参加してまいりました。

講師にお迎えしたのは、国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部 部長であり、同センター病院 薬物依存症センターのセンター長も務めておられる 松本俊彦先生 です。

松本俊彦先生 研修会資料

実は今回の研修会、奈良県支部で役員を務める小瀬古の「ぜひ松本先生を奈良県にお招きしたい!」という強い思いと提案から実現したものです。念願叶っての奈良県での開催となり、参加者一同、非常に熱の入った有意義な時間を過ごすことができました。

本日は、研修で学んだ数多くの大切なことの中から、私たちが特に心に留めておくべき内容を一部皆様にもシェアさせていただきます。

「死にたい」という言葉の背景にあるもの

支援の現場や日々の関わりの中で、もし「死にたい」と打ち明けられたら、私たちはどう応じるべきでしょうか。

研修の中で松本先生は、その際に最も避けるべきは、自身の死生観や倫理観に基づくお説教や、相手を論破しようとすることだとお話しされました。

私たちはつい「命は大切だ」「そんなことを言ってはいけない」と正論を伝えてしまいがちです。しかし、それはご本人が今まさに抱えている「現実的な困難」から焦点をずらしてしまい、せっかく築いた信頼関係を損なう有害な行為になりかねないのです。

必要なのは「現実的な困りごと」への真摯な関心

本当に重要なのは、その言葉の背景にある「現実的な困りごと」に真摯に関心を向けることです。

否定したり、ただ励ましたりするのではなく、
「あなたをそのお気持ちにまで追い詰めている原因や出来事について、もう少し具体的に話してもらえませんか」
と、丁寧に問いかけ、対話をすること。それが支援の第一歩であると改めて深く学びました。

今後の支援に向けて

今回松本先生から学んだ対話のあり方は、私たちが日々の業務で関わるすべての方々に対する基本姿勢そのものです。

「死にたい」という言葉の奥にあるSOSや現実の困難から決して目を背けず、ご本人と一緒に考え、伴走できる存在であれるよう、事業所全体で今後も学びを深めてまいります。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。