【学会参加レポート】第25回日本トラウマティック・ストレス学会学術総会に参加してきました!

先日、7月25日・26日に大宮ソニックシティで開催された「第25回日本トラウマティック・ストレス学会学術総会」に横浜支店所長の金親が参加してまいりました。

今回の学術総会のテーマは、『トラウマ治療の実装に向けて ー現状と課題ー』です。本日は、学会に参加して感じたことや、今後の支援のヒントとなる最先端の研究動向についてレポートをお届けします。

学会レポートまとめ

日本におけるトラウマ治療「実装」への高い壁

今回のメインテーマである「実装(現場への普及と定着)」ですが、日本国内で広く浸透させるには、まだまだ多くの現実的な課題があることを痛感させられました。

医療費・診療費の負担のあり方、社会や周囲の理解度、そして何より専門家を育成するためにかかる多大な教育費など、クリアすべきハードルは少なくありません。正直な印象として、「本当の意味で日本社会に実装されるまでには、まだ50年ほどかかるのではないか」と感じてしまうほどの道のりの長さです。

例えばアメリカでは、税金を納めていれば認知行動療法などのエビデンスに基づいた治療を実質無料で受けられる仕組みが整っている地域もあるなど、国レベルでのバックアップが進んでいます。日本でも治療へのアクセスや経済的支援の面で、さらなる議論と変化が必要だと強く感じました。

注目を集める「ACEs(エース)」と「PCEs(ピース)」の研究

今年度の学会で特に目立っていたのが、「ACEs(逆境的小児期体験)」に関する研究報告です。子どもの頃のトラウマや過酷な環境がその後の人生に与える影響について、活発な議論が交わされていました。

さらに、そのACEsの悪影響を抑える阻害因子(保護因子)として、新たに「PCEs(肯定的小児期体験)」という概念も非常に注目されており、会場でも頻繁に飛び交っていました。

この「PCEs(ピース)」に関しては、現時点で日本版の評価指標がまだ完成していないこともあり、各研究者や現場がそれぞれの解釈で模索しながら使用している段階です。そのため、PCEsが社会や現場に社会実装されるのもまだ先の話になりそうですが、第一線で活躍されている研究者の先生方が、実装に向けて熱心に研究を重ねている姿がとても印象的でした。

最後に

日々の業務や臨床の現場で私たちが何気なく活用している知識や治療法は、こうした研究者の方々の気の遠くなるような努力の結晶なのだと、改めて深く実感させられる機会となりました。

先人の知見と努力に感謝しつつ、今回学んだ視点をこれからの日々の業務に少しでも還元できるよう、これからも精進してまいりたいと思います。