当事業所・小瀬古伸幸の監修者インタビューが「ダ・ヴィンチWeb」に掲載されました
このたび、書籍『隠された家族』(著:のむ吉/監修:小瀬古伸幸/KADOKAWA)に関連し、 当事業所の小瀬古伸幸が「ダ・ヴィンチWeb」の監修者インタビューを受けました。
『隠された家族』は、統合失調症を患う家族の存在をきっかけに、 本人だけでなく、その周囲にいる家族が抱える戸惑いや葛藤、 そして「家族としてどう向き合っていくのか」を描いた作品です。
小瀬古は精神科認定看護師として本書の監修・解説を担当しています。
今回のインタビューでは、書籍の内容を入り口に、 精神疾患を抱える方とそのご家族への支援について、 4つのテーマからお話ししています。
インタビューでお話しした4つのテーマ
「刺激しないほうがいい」と距離を取る前に、誰かに相談すること
精神的な不調は、身体の病気と比べ、周囲から分かりにくいことがあります。
本人が自室で過ごす時間が増えたり、家族との関わりが少しずつ減ったりしたとき、 ご家族としては「刺激しないほうがいいのではないか」と考えることもあります。
しかし、ご家族だけで対応方法を考え続けることで、 本人との距離がさらに広がったり、ご家族自身の負担が大きくなったりすることもあります。
インタビューでは、そうした状況が固定化してしまう前に、 専門機関へ相談することの大切さについてお話ししています。
精神疾患は「本人だけ」の問題ではありません
精神疾患を抱えているご本人が苦しさを感じていることはもちろんですが、 日々一緒に暮らし、支えているご家族もまた、大きな負担や悩みを抱えることがあります。
「どう声をかければいいのだろう」
「受診してほしいけれど、本人が納得してくれない」
「これから先、どう生活していけばいいのだろう」
こうした悩みを、ご家族だけで抱え続けてしまうケースも少なくありません。
インタビューでは、精神疾患のケアを考えるうえで、 ご本人への治療や支援だけではなく、 身近で支えるご家族への支援も欠かせないという視点についてお話ししています。
「なぜ発症したのか」を一つの原因だけで考えない
統合失調症をはじめとする精神疾患について、 「強いストレスがあったから発症した」 「育て方に問題があったのではないか」など、 一つの原因に結び付けて考えてしまうことがあります。
しかし、精神疾患の発症には、遺伝的な要因や生活環境、 経験したストレスなど、さまざまな要因が複雑に関係しています。
特にご家族の場合、「自分のせいではないか」と責任を感じてしまうことがあります。
病気を誰かの責任にするのではなく、現在分かっている医学的な知見を踏まえながら、 本人や家族がこれからどのように生活していくかを一緒に考えていくことが大切です。
インタビューでは、統合失調症の発症に関係すると考えられている 遺伝と環境の関係についてもお話ししています。
「家族も自分の人生を生きていい」
ご家族に精神疾患を抱える方がいると、 生活の中心がいつの間にか「本人のため」に変わっていくことがあります。
「自分が支えなければ」
「自分だけ楽しんではいけない」
「この子が落ち着くまでは、自分のことは後回しにしよう」
そう考え、長い年月を過ごしているご家族もいらっしゃいます。
もちろん、ご本人への支援は大切です。
一方で、ご家族にも、ご家族自身の生活や希望、これからの人生があります。
支援とは、ご本人だけを支えることではなく、 ご家族が「自分はこれからどんな人生を送りたいのだろう」と 考えられるようになることも含まれます。
ご家族が少しずつ自分自身の生活を取り戻していくことは、 ご本人との関係を見つめ直すきっかけにもなります。
家族だけで抱え込まないために
精神疾患を抱えるご本人への支援については、 さまざまな情報が発信されるようになりました。
一方で、そのそばにいるご家族が、
「誰に相談したらいいのか分からない」
「本人が受診してくれないので、相談しても仕方がない」
「家族の自分が我慢するしかない」
と考え、孤立してしまうことがあります。
本人がまだ医療につながっていない段階であっても、 ご家族から相談できる場所や支援があります。
大切なのは、問題が大きくなるまで家族だけで抱え続けないことです。
今回の『隠された家族』、そして4本のインタビューが、 精神疾患を抱える方やそのご家族について知るきっかけとなり、 「相談してもいい」「家族自身も支援を受けていい」と 思っていただく一助になれば幸いです。
ぜひ、書籍とあわせて各インタビュー記事もご覧ください。